コラム

2015.09.30. 初めての「暗闇演劇」を終えての感想

大川興業が初めて90分間真っ暗闇の演劇に挑戦したのは2003年の第28回本公演「Show The BLACK」でした。
見えない芝居、音と気配だけの世界の“無見劇”は、やってみるまではどんな結果になるか全く想像できませんでした。しかし、実際には連日満員御礼で、チケットが売り切れたために観にこれない、聞きにこれない人が続出しました。やってみたら大成功。やはり挑戦をやめてはいけません。
この時の物語は、映画で言えば「CUBE」のように、6人の人間がドアもない暗闇の密室に閉じ込められてサバイバルゲームをしていくという物語でした。リアルな暗闇の中での人間同士の葛藤をギュッと凝縮しました。
暗闇の中の芝居というのは、ラジオを聞いているようなものかと思うかもしれません。しかし、実際はスピーカーを通して「聞く」ものではありません。音だけではなく人の独特の気配も感じます。“皮膚で観る”というか、五感、六感を使って「観ている」というのがよくわかります。
みなさんも経験があると思います。真っ暗な部屋の中では、時計の音だけが気になりませんか。その日の精神状態によっては眠れなくなったり、心地よいリズムと感じて簡単に寝付いてしまうこともあります。無意識のうちに耳が音を遮断して全く気にならない時もあります。本当に不思議です。
以前、映画館のど真ん中に座り、アイマスクをして映画を観たことがあります。確かに音はデジタルサラウンドだけれど、やはりバーチャルはバーチャルでしかありません。どうしても音が一定して聞こえてしまい、人の気配を感じることはできませんでした。しかし、映画ではできなかった感情移入も、舞台でならできたのです。
ぜひ、ひとりでも多くの方に、この新しい感覚を体感してほしいと思います。

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<大川総裁が朝6時に撮影した「Show The BLACK」初演時のチラシ、からの朝日>