コラム

2015.10.02. 暗闇演劇の練習法

暗闇演劇と聞くと「単なる朗読劇」を想像する人が多いようです。しかし、大川興業の暗闇演劇は違います。お客さんから姿は見えなくても、役者たちは舞台上でしっかり演技をしています。
これは実際に劇場に足を運んでくれたお客さんなら、その気配を感じ取ってくれていると思います。観たことのない方には信じられないかもしれません。だからよく「暗闇演劇の練習はどうやっているんですか?」と聞かれます。慣れです」と答えるしかありません。
本番が近づくと、真っ暗闇の稽古場で練習をします。練習中はもちろん休憩中も真っ暗闇です。お弁当も暗闇で食べます。匂いによって「今日は和風ハンバーグだな」「これは餃子だな」と判断しながら食べています。暗闇演劇の稽古は稽古場だけでやるものではありません。
アイマスクをして暗闇の世界を作り、外にも飛び出して「闇」の感覚を体得していきます。実際に目を閉じて階段を登ったり、町中を歩いてみたり、公園を歩いてみたり、銀行のATMでお金をおろしたりと、ありとあらゆる行動を闇の中でしていきます。道路に設置された点字ブロックの上を歩いていたら、停めてある自転車に激突したこともありました。 目を閉じると、音と気配だけが支配する世界になります。
視覚がいきなり奪われるので聴覚や触覚など、他の感覚が敏感になります。そのため音が怖すぎて電車にだけは乗れませんでした。暗闇の中で誕生日会の練習もしました。バースデーケーキを回転させながら「ストップ」と言って角度を決め、人数分に切り分けます。ローソクの火はもちろんつけません。暗闇の中での誕生日プレゼントは、触ってみてそれが何かを当てるというものでした。信じられないかもしれませんが、暗闇に慣れてくると、触った感触でそれが何だかわかるようになります。頭の中でイメージする誕生日プレゼントにはちゃんと色もついています。見えていなくても、脳の中にははっきりとしたイメージが作られているのです。
そんな不思議な感覚を、ぜひ大川興業の暗闇演劇で体験して下さい。

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